昼時の รสดีเด็ด は今日も満席。平日だというのに。味が良いから客足が絶えない。奥にある無理をすれば六人は座れるだろう大きめの机に、一人分の空きを見つけて、カオ・ナー・ガイ(ข้าวหน้าไก่)とチャー(ชา)を注文した。

しばらくすると同じ机に座っていた四人が席を立ち、入れ替わりで男一人と女二人のグループが席についた。男は髪型やファッション、それと話し方からゲイかもしれない。二人の女はバッチリとメイクをして、一人の女は髪を腰の辺りまで伸ばして、袖口が大きくヒラヒラとした白いシャツを着て、黒のパンタロンをはいている。美容室で働いているグループだろうか。とすると、もう一人の女の格好が不思議だ。何かのコスチュームみたいに、ラメでキラキラ光った派手な服を着て、景気よく肌を露出している。

コスチュームの女は僕と同じカオ・ナー・ガイと飲み物にナム・デーング(น้ำแดง)を頼んだ。ナム・デーングか。子供っぽいものを頼むな。タイを歩いていると、クレヨンしんちゃんだとかスポンジ・ボブの柄のはいったTシャツやパジャマを来ている大人の女性を見かけることがある。「タイ人女性の幼児性」友人はこう表現した。

ゲイかもしれない男はセン・ヤイ・ムー(เส้นใหญ่หมู)とエスト・コーラ(เอส โคล่า)をヒラヒラの服を着た女は &*%^$#@#・ウア・ボーリスット(&*%^$#@#วัวบริสุทธิ์)とカオ・パーオ(ข้าวเปล่า)とゲオ・パーオ(แกวเปล่า)をそれぞれに注文した。注文した品が揃ってきて、最後にヒラヒラの服の女のところへ器が置かれた。器にはスープに浸ってルーク・チン(ลูกชิ้น)が八つだけコロコロと浮かんでいる。
「何これ?」きょとんとして女がつぶやくと、男が「頼んだんでしょ?」と応える。注文の時には聞き取れなかったが、頼んだものとは別の品が届いたようだ。女は器を持って立ち上がると「こんなルーク・チンだけなんか頼むわけないじゃない、ばかじゃないの」と言いながら、注文を受けた男のところへ歩いて行った。

もやしもパクチーも揚げたガーリックも何も入ってない、茶色の澄んだスープの中に浮かぶルーク・チンの姿。それと女の素直な反応が可笑しくて笑いをこらえていたが、コスチュームの女が声を落としてクスクスと笑い出し、男も笑うと、僕も思わず吹き出してしまい、コスチュームの女と目があって三人でしばらく笑った。

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