タイで仕事をしているデザイナーであれば、制作でタイ語を使うことが出てくるかもしれないし、デザイナーでなくてもパワポの資料作成や最近は動画やブログ記事のサムネイルに使う機会があるかもしれません。本記事では、フォントの種類、手に入れ方、使い方、選び方、おすすめフォントに分けてタイ語フォントの基本を紹介します。
タイ語フォントの種類
クルクルのある/ない
タイ語のフォントは大きく2つのグループに分けられます。タイ文字の特徴であるクルクルした部分を持つものと持たないものです。44個ある子音のうち42個にこのクルクルがついています。
1. クルクルのあるフォント = ตัวหนังสือมีหัวやฟอนต์มีหัว(トゥア・ナンスー・ミー・フア/フォント・ミー・フア)
2. クルクルのないフォント = ตัวหนังสือไม่มีหัวやฟอนต์ไท่มีหัว(トゥア・ナンスー・マイ・ミー・フア/フォント・マイ・ミー・フア)
หัวは頭の意味なので、タイ語ではクルクルを頭と表現して、頭のある/ないと呼ぶようです。
この分け方は欧文書体がセリフ体、サンセリフ体に分けられるのと近いです。セリフ体というのは「うろこ」や「ひげ」と呼ばれる飾りのあるもので、サンセリフ体は「うろこ」「ひげ」がないものです。
2つの特徴
クルクルがあると、「ก」と「ถ」や「ค」と「ด」などを見分けやすいと思いがちですが、実際のところ日本語の「わ」と「ね」や「ン」と「シ」くらいの違いで、長くタイ文字に触れていると気にならないのかも知れません。
また、クルクルのあるものが「フォーマルな、硬い」と日本語の明朝体の印象を、クルクルのないものが「カジュアルな、柔らかい」と日本語のゴシック体の印象を持ちます。
用途
実際に2つがどのように使われているのか見ていきます。
Facebook、Twitter、ニュースメディア(Thairat、Khaosot、BBC THAI)、タイで人気のSNSや旅行メディア(Pantip、Chill Pai Nai)など文字を長く読ませる場合には、クルクルありを本文に使うことがほどんどで、目を引かせる見出しにはクルクルありの太字、またはクルクルなしを使っています。
企業のサイトや大学のサイト(Z.com、BANGKOK UNIVERSITY)では本文にもクルクルなしを使っているのが見られます。
こう見ると基本的には本文にクルクルなし、タイトルや見出しにはクルクルなしと考えておいて良さそうです。
タイ語フォントの入手
無料のフォント
ฟอนต์.คอม(f0nt.com)
タイ語ダウンロードサイトの決定番。このサイトだけで600を超えるフォントがあります。ダウンロードしてインストールして使います。
URLの表記で「font」の”o”を数字の”0″(ゼロ)に変えて「f0nt」としているあたり、センスがいいですよね。
Google Fonts
https://fonts.google.com/?subset=thai
Google Fontsにもタイ語フォントがあります。全部で26個がダウンロードしても使えるし、WEBフォント(閲覧者がフォントを持っていなくても、発信者の指定した通りに表示する仕組み)としても使えます。
Noto Fonts
Noto FontsはGoogleによって開発されたもので、世界中の言語をサポートすることで文字化けがされなくなることを目指していることで有名です。文字化けの際に表示される「□」をTOFUと呼び、豆腐がなくなるように「Noto(No more Tofu)」が名前の由来です。
有料のフォント
KJR Font(เคเจอาร์ฟอนต์ไทย)
有料ですが、1個300バーツとお手頃で質が高いのでおすすめです。弊社でもこれまでに4個を購入して、実際の業務で使っています。
ウェブサイトがエラーになっているので、Facebookページから欲しい旨を伝えると、返事が帰ってくるので、送金後に受けとりという流れ。
タイ語フォントの使い方
ダウンロード方法
f0nt.com
使いたいフォントを見つけたらページ内のダウンロードボタンをクリックするだけ。
クリックすることで利用許諾に同意することにもなると書かれています。
■ライセンス
商用利用も可能だが、フォントを販売するのは禁止。制作者への敬意を持って使わせてもらいましょう。
https://www.f0nt.com/about/license/
中にはダウンロードボタンがなくて、外部サイトで購入するものもあります。その場合のライセンスは販売サイトによるので、確認してください。
Google Fonts
こちらも使いたいフォントのページでダウンロードボタンをクリック。
フォトショップとイラストレーターの設定
フォトショップとイラストレーターでタイ語を扱うときには、声調記号が母音にぶつからないように設定が必要です。これを知るまで声調記号だけをタイプして見やすい位置に移動させていたこともありました。作業時間の短縮には欠かせません。
フォトショップの場合
アートボード上でフォントを選択して、フォントパネルの左下から「タイ語」を選択します。
イラストレーターの場合
同じく、アートボード上で、フォントパネルの左下から「タイ語」を選択します。
おすすめのタイ語フォント
WEBフォントとしても利用できる3つ
Sarabun
丸みを帯びた柔らかい書体。ニュースメディアGoogle Newsの本文で使われています。Sarabun(สารบรรณ)は「公文書」の意味です。
Tahoma
角のあるはっきりとした書体。BBC THAIで使われています。Tahomaは、MacではOS X 10.5以降、WindowsではXP以降で標準インストールされているので、新しくダウンロードしなくても利用できます。
Noto Sans Thai
ラインに特徴がある、読みやすく美しい書体です。
様々なスタイルの書体
クルクルのないシンプルなもの、新聞の見出しに使われているインパクトのあるもの、手書き風、ヤワラートという名前の通り中華街風、ラオス文字風、欧文フォントだがタイ文字風など、実に様々なスタイルの書体がある。
極端にデフォルメされているものは、ほとんどローマ字に変化しているものがある。日本人にも人気の観光スポットである「ตลาดรถไฟ」の看板。「ต」は、ほとんど「M」になり、「ร」は「S」になる。
まとめ
フォント選びは大切ですし楽しい工程ですが、ある程度使うものを決めておくと仕事が早くなります。本文では、SarabunかTahomaかNoto Sans Thaiから選ぶ、これだけでも決めておくと他のたくさんの仕事に貴重な時間を費やすことができます。見出しやタイトルでは雰囲気にあったものが選べるよう、リストを作っておくのもおすすめです。
意義あるタイ語の制作を続けて、タイを良くすることに貢献していきましょう。
使い方が分かった後は、もう一歩踏み込んで、日本語や英語の書体との違いや文字間/行間について学びませんか?
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私たちはタイ語の制作を得意とするWEB制作会社です。制作はタイ語からスタートすることも可能ですし、まずは日本人担当者と日本語での制作を進めてから、タイ語に翻訳をするやり方、どちらでも可能です。実制作だけでなく御社タイ人スタッフとの打ち合わせやメール/LINEなどでのやりとりもお任せください。日本人のスタッフには他の業務にあたっていただくなど、リソースの有効活用と円滑な進行で作業を行います。タイ語の制作を考えているが、タイ語での制作経験がなかったり、言葉の問題が心配な担当者様、どうぞ、お気軽にご相談ください。