皆さま、ごきげんはいかがでしょうか?

まったく世界がすごいことになっていますが、猿が二足歩行をはじめてから、すごいことになっていない時なんて一度もない、なんてことも言うので、世界はいつも通り、平常通りに狂っているのだから、何も心配することなどないとも言えるのか知らん。

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10年ぶりに半年近くを日本で過ごしました。

母親を連れて近所に買い物へ。一方通行で、小さなバスも自転車も乳母車も通るような小さな商店街。40代くらいの男が、うまく道を譲り合えなくてもたつくと、目の前にいた母親に「どけぇ〜コラァ」と小声で。別の日、サミットのエレベーターの乗り降りで同じようなことがあると、白髪の男が、これまた「なんだよォ、降りろっていうんだヨォ」とボソッと。母親は「何か文句言ってるでしょう?」と。「何か言ってたみたい」と返すボク。いつも通り狂った世界での出来事。

レギンスで歩く女性が増えたよなと思う。また母親と神社への散歩の途中の話。十字路を渡る時に角の向こうからレギンス姿の女性がこちらに向かっていて、遠くからでも分かるくらい豊満な女性。ボクは「あ、またレギンスだ。これまた、すごいなぁ」と思って歩き続ける。その女性の歩みが速く、ボク達二人を抜いていく。女性の後ろ姿を見た母親の口から「あら、お尻が」と。そうなんだよ、お尻が強調されすぎてるんだ。

商店街のメガネ屋へ。歪んでしまったフレームを、顔にあわせて丁寧に手で調整しては確認してを繰り返してくれる。メガネが並ぶガラス台を挟んでボクは椅子に座り、店主は立っているので、店主の胸元が目に入る。ネクタイピンが本人がかけているメガネと同じ形をしたしゃれたもの。「いいネクタイピンですね」と伝えると「ええ、私はメガネ屋ですから」と。粋ですな。

郵便局。葉書を求める高齢女性。夏用の抽選がある葉書を勧められて、「あー、いいの。亭主が当たったからもういいいの。普通の頂戴。」と。粋ですな。

ずっと家にいるのもな、というので気を晴らすのに歌舞伎町から大久保辺りに宿をとって合計で10回くらい行ったかもしれない。どのホテルもかなりの割引をやっていてAPAホテルや、ビジネスホテルという名の連れ込み旅館、アゴダによれば本当は1泊2万くらいする部屋に3000円で泊まったりした。

大久保通り周辺を歩くと、韓国語、中国語、タイ語、ヒンディー語にタガログ語だかマレー語だか分からないけど、とにかくたくさんの言葉が耳に飛び込んでくる。コンビニなんかどこに入っても日本人でない人が働く。

どこかで日に当たりながら本を読めるところがないかと角を曲がると小さな公園。南アジア系の顔立ちの若い男が公園に入ってきて、昼過ぎだが起きたばかりの様子で体を伸ばして靴を脱ぎ水道の水を出して足を洗い、顔を洗っている。ジロジロ見るのは気が引けるので本に目を戻す。風呂なしにでも住んでこの公園で顔を洗うのが日課なのかも知れない、などと思った。

この時期に旅行者はいないのだから、ここに居るのは皆なんらかの事情で日本でやっているのだ。ボクもタイで頑張ります。

大久保通りやその筋に個性的な看板が目に入って、歩いて探してみると結構たくさん見つかって、期せずしてデザインのいい勉強になりました。

大久保通りの看板1
よく目立つ八百屋

大久保通りの看板2
附属の文字組みが特殊でナイス

大久保通りの看板3
ローマ字と数字の縦組みで、数字の下四桁は漢字という離れ技

大久保通りの看板4
反復で脳を揺さぶられた最後に「やきとり」の文字

日本から戻って、14日間の隔離生活を経て事務所に戻ると、スタッフや事務所の隣にあるタイ料理屋のオーナーが「WELCOME BACK!」と迎えてくれて、事務所と同じ敷地内のワイン屋のスタッフがわざわざ事務所のドアを開けて、「なんだ、もう返ってこないと思ってたよ」と冷やかしに来くれて、アパートのオーナーはいない間の家賃をなしにしてくれたり、そこに自分の場所があるなと感じれて嬉しく思ったのだが、加えてボクがいない間も皆こうして、自分の場所をつくっていて、そうやって各々が自分の場所をつくり続けると、そこは「自分たちの場所」になっているんだなんてことを思ったのであ〜る。

アパートのオーナーが良いようにしてくると、ボクも何か誰かに、ということになり顧客サービスとして、WEBサイトの運用費を割引するということをしました。わずかではあるけれども。そうするとそれを受けた人は、まわりに何か良いことをするようになる。電車で席をゆずるとか、あの人に声をかけてみるとかそういうことかもしれない。いずれにしても何か良い行いが広がっていくはずだ。もちろん良いはずのことをされても何も思わなかったり、きっと図に乗ってしまうような人もいるだろう。平常通りにいけば狂った世界なんだから、それもあるだろう。

個人的な話の終わりに、ポン・ジュノ氏がアカデミー賞の舞台で、同じ場所にいたマーティン・スコセッシ氏に向けて言った言葉を。「映画を勉強していた若い頃、心に深く刻まれた言葉があります。『最も個人的なものが最も創造的なのだ』これは偉大なるマーティン・スコセッシ、貴方の言葉です。」

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続いているというには短い4年間という時間ですが、自分たちの考えにあうようにやって来て、この7月は会社をはじめてから最も利益の高い月になりました。お金のためにやっていることはと言えば、財布に入れる札の向きは印刷されてる人の顔を下に向けるということです。ジワジワ効きます。これ、ホント。

お金が増える紙幣の扱い方
お金が増える紙幣の扱い方

この先も長く続けられるように商売をしていくのが我々の根本にある姿勢ですから、それを実現するためにやっていきます。今後もごひいきによろしくお願いします。

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