いよいよ良い感じになってきて、完成に近づいたところで、お客さんに最後の相談をするため、初めてそのポスターを見せに行ったのですがダメでした。残念だけどやり直しです。

やきとりが自慢の居酒屋なので鶏と店名が入ったポップなものって言われてて、前に唐揚げ弁当屋のイラストで描いた鶏を指してこんな感じのも良いですね、なんて話が打ち合わせでもあったんだけど、同じことをしても芸がないよなとか思ってしまい、パラパラとめくっていたPAUL KLEEの画集の中で目に止まった良い絵がひとつあって、これにしようってことになったんです。

Two men meet, each believing the other to be of higher rank
PAUL KLEEのエッチング作品

この「Two men meet, each believing the other to be of higher rank」、日本語で「互いに互いを格上だと思い込む二人の男」という非常に面白い名前の、1903年の作品の中にいる二人の男に鶏の顔と羽を持たせてみようと考えたのです。さらに山田五郎によると、この画風の頃のパウル・クレーは売れてなかったそうで、確かに多くの人が好むような絵じゃないのかもしれないけど、それもまたいいよなって思って。

店の名前を入れるというお題に対しては、絵の背景にバンコクの街並みを描いて、その中に店の看板を紛れ込まそうと考えていたのですが、実際の店舗の看板が良い感じなのでこれを絵の下にそのまま配置してみるとバチッとはまったので、これでいこうと決めたわけです。

実店舗の看板
実店舗の看板

ばんばん用ポスターボツ案
ばんばん用ポスターボツ案

結局、もっと明るくてポップな印象の、、、みたいなことを言いづらそうに言わせてしまって、ああ、じゃあ作り直しますってことにしました。特に面倒とかって気持ちもなく、楽しくやれてるんで別にいいかってことなんだけど、商売目線で言えば要領が悪くなってしまった。ある程度終わりが見えてきたところで早めに相談しても良かったが、まぁいい。パウル・クレーの100年以上昔の面白いタイトルの作品を引っ張り出してきて、そいつに鶏の顔と羽を生やして、下には店舗の看板と同じデザインで店名を配置したポスターにするって一連がポップだよなって思ったんだから。

この後は

以前に描いた鶏のイラスト
以前に描いた鶏のイラスト

もう一度、最初の唐揚げ弁当屋のイラストを挙げて、やっぱりこういう方がポップですよねってすり合わせをしたので、次はポップな印象のポスターになるようやっていきます。とは言え何か新しいことやりたいよな。

居酒屋「ばんばん」は、トンローの日航ホテルの向かいと少し前にエカマイのドンキー近くに2店舗目が出店しました。
やきとり食べたくなったらどうぞ〜。